「 まろやかに なめらかに 」
「 まろやかに なめらかに 」
弦楽四重奏は、172回を重ねながらも初の音景色だ。
第1ヴァイオリン の田中 唱(たなか しょう)さん
第2ヴァイオリン は岸本 絵美(きしもと えみ)さん
ビオラは 上野 三科(うえの みしな)さん
チェロは 岸本 義輝(きしもと よしてる)さん
4人の弦楽カルテットが、前評判通りの魅力的なハーモニーを彩り、客席を魅了していく。
開演直後のトークで 田中さんが
━ 皆さんを宮殿にご招待しましょう
の意味が、音景色が始まるとすぐに呑み込めた。
華麗な宮殿にて、王族、皇族の晩餐会が大きな貴賓室で催され、宴の興に奏でる演奏会、それを想像すると良い。
正に弦楽四重奏にはそんな気品に充ちていた。
そんな気品を奏でるのはクラシック、かと思えばそうではない。
今、映画で話題に上る ━ ♪ボヘミアンラブソディ のクイーンのメドレー、中島みゆきの ━ ♪糸
そんな曲も彩られると、98名の聴衆の、うっとり度は予想をはるかに超えていく。
一言で現すとすれば、
━ まろやか
━ なめらか そんな言葉が浮かんでくる。
予定時間を10分少々オーバーしてしまったものの、王朝貴族の時間はゆったりの流れ、
豊かな想いに浸ることのできた、ひと時となった。